犬の幼稚園・保育園の店舗契約から内装決定までのポイント【犬の保育園オーナーがわかりやすく解説】

コラム

犬の幼稚園・保育園を開業するにあたり、とても重要になってくる店舗選びですが、住宅用の賃貸物件とは違い、見つかるまでに時間がかかったり、審査の際にも提出書類を多く求められることもあります。

今回は、店舗契約までの流れや店舗契約後の内装についてポイントを紹介していきます。

店舗物件探しの前に資金の確保

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別の記事で紹介している「動物取扱責任者」や「動物取扱業」の取得ができれば開業できると思ってしまうかもしれませんが、犬の幼稚園・保育園のように店舗を構える場合には、事前に資金の確保が必要です。

開業準備には多くの出費が発生しますが、その中でも大きな割合を占めることになるのが物件を借りる際の保証金です。さらには、内装工事費や設備、備品の準備にも資金は必要となるため、100万円以上の費用が発生することも少なくありません。

保証金とは

保証金とは、借主が貸主に預けるお金です。賃貸契約後、家賃の滞納があった際や退去時の原状回復費用などに充てられます。

保証金は物件や立地によって異なりますが、居住用物件と比べて高額に設定されることが多く、月額家賃の2〜24ヶ月分を求められることも少なくなく、100万円を超えることも珍しくありません。

保証金の減額交渉が可能な場合もあるようですが、大幅な減額は難しいと思っておいた方が無難でしょう。

創業融資の活用も

自己資金で賄えない場合は、創業融資の利用を検討してもいいかもしれません。

創業融資は起業、開業の際に事業者が利用できる融資制度です。そのため、一般の事業融資と比べて審査基準が緩和されていたり、事業実績がなくても借りやすいといった特徴があります。

但し、融資をしてもらう場合でも、ある程度の自己資金が必要であることも多く、更には事業計画書の提出や面接などの審査が行われることもあります。

参考:個人事業主向けにも創業融資を行っている主な金融機関
日本政策金融公庫(日本政策金融公庫ホームページより)
信用金庫(全国信用金庫協会ホームページより)

※具体的な融資条件や審査基準は機関によって異なるため、詳細は直接問い合わせることをお勧めします。

店舗物件探しの前に決めておきたい条件

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明確にしておきたい希望条件

不動産会社に行く前に、主に以下の項目について希望条件と優先順位を明確にしておくとスムーズに物件探しができるでしょう。

  • 犬の飼養がOKか:これは必須条件となるため、一番初めに確認が必要
  • エリア:出店したいエリアの競合店の有無や状況も確認
  • 交通アクセス:最寄駅やバス停から徒歩何分まで許容するか、または特段気にしないか
  • 家賃の予算:現実的に支払える額はいくらか
  • 初期費用の予算:開店後の運転資金も含めて考えるのを忘れずに
  • 広さ・間取り:1日に預かる最大頭数やスタッフの数などから検討
  • 築年数
  • 階数:通行人の目に付きやすい一階を必須条件にするか否か
  • 2階以上の場合エレベーターの有無:階段やエレベーターなど共用部分を犬が歩いても大丈夫かなどの確認が必要
  • 周辺施設の状況:(例)動物病院・公園・トリミングサロンが近くにあるかなど
  • 人通りや交通量:店舗前の交通量は少ない方が良いか、安全対策も含め検討
  • 看板設置の可否
  • 電気・水道・ガス設備の有無
  • 空調・換気設備の有無
  • 駐車場の有無
  • 契約期間や更新の条件
  • スケルトンか居抜き物件か

スケルトン物件と居抜き物件の違い

スケルトンとは、建物の骨組みである柱や梁、床、天井などの構造躯体だけを残した状態の物件を指し、コンクリートや配管、配線などがむき出しになっています。

スケルトン物件のメリットは、内装デザインを自由にできる、設備のメンテナンスがしやすい、什器の配置を自由にできるといったことが考えられます。デメリットは、費用や時間がかかることでしょう。

一方の居抜き物件は、前に入っていたテナントの什器や設備がそのまま残っている状態の物件を指します。

居抜き物件のメリットとしてはそのまま使用する場合にはコストを抑えることができます。ただし、自由なレイアウトやデザインが難しくなることや、内装やレイアウトを変える場合には、スケルトン同様に費用と時間がかかることがデメリットとして考えられます。

物件探しの注意点

まずは用途地域の確認です。用途地域とは、都市計画法に基づいて定められた土地の利用区分で、大きく分けて「住居系」「商業系」「工業系」の3つの区分に分類されています。

希望する物件が、犬の幼稚園・保育園を営業できるかを不動産会社またはインターネット、市区町村の窓口で確認した上で、物件の契約を進めましょう。

もうひとつは、保健所が定める必要な設備があるか、または設置が可能かどうかの確認です。東京都を例に見ると、洗浄設備、給水設備、排水設備、換気口が建物の設備として必要になります。

これらが元々ないと設置にコストがかかることになりますので、元々これらの設備がある物件を選ぶ方がコスト削減になります。

敬遠されがちな犬の幼稚園

そもそも犬の飼養が許可されている事業用物件は住居用物件以上に少ないと思っておくといいでしょう。さらには、犬の幼稚園・保育園というあまり馴染みのない商売に加え、犬の吠え声や糞尿、犬独特の臭い、被毛などが舞うことを懸念されがちです。

不動産会社から物件のオーナーに掛け合ってもらえるよう、不動産会社に対して懸念されやすい事項に対してどのように対処していくかを説明できるようにしておくのがおすすめです。

店舗物件探しの方法

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直接不動産会社に出向いて探すのがおすすめです。インターネットでも物件の閲覧はできますが、犬の飼養がOKか否かが明記されている物件はあまり多くありません。

そのため、不動産会社に事業説明や希望条件を伝えた上で物件の候補を出してもらった方が早いと考えられます。

物件契約の流れ

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内見後から物件契約までのおおまかな流れについてみていきます。

  1. 物件申し込み:この時に保証人の設定や事業計画書の提出が求められることもあります。事前に準備をしておくとスムーズでしょう。保証人ではなく、保証会社を使うように言われることもあります。保証会社を使う場合は費用負担も新たに生じます。
  2. 入居審査:貸主による審査が行われ1~2週間程度かかることもあります。
  3. 賃貸借契約の締結:審査に通過した場合、契約に進みます。契約に伴い、必要書類や印鑑などが必要になりますので漏れのないよう準備をしましょう。
    また、更新期間家賃発生のタイミングや家賃の支払期日、物件の引き渡し日解約通知原状回復に関することなど、賃貸借契約書に書かれている内容で気になる点などはこの時に不動産会社に確認します。

貸主によっては入居審査に必要な書類や対応が変わってくることもありますので、不動産会社としっかり連絡を取って対応をし、審査通過を目指しましょう。

内装の決定と工事

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物件が決まったら内装イメージと内装業者を決めていきます。この際、前述のように保健所が定める設備の設置が必要な場合は、漏れが無いようにしましょう。

内装イメージを決める際は、どんな雰囲気にしたいか、使いたい色などはあるか、扉や床材など幼稚園・保育園生たちの安全管理をする上で必要な設備などを考慮し決めていきます。

内装業者が決まっていたら、壁紙などのサンプル帳を見せてもらうとより確実かもしれません。

内装業者を決める際には、内装業者とのマッチングサイトなどがありますので、そういったサービスを利用し、ご自身に合いそうな業者を選ぶのもいいでしょう。

参考:店舗の内装事例や業者とのマッチングサイト
店舗デザイン.com

安全で衛生的に過ごすために考えたい床材や設備

犬の幼稚園・保育園は大切な命を預かる場でもあります。お預かり中のケガや事故が起きないよう、可能な限りの安全対策をしていくことが大切です。そのためには、お店作りの段階から考えておく必要があります。

滑らない床材

登園生たちが滑りにくく、防水効果があるものがおすすめです。小型犬の多くが膝蓋骨脱臼(パテラ)を抱えていたり、足腰が決して強い訳ではありません。

滑る床材の上を走る、ジャンプする、他の子と遊ぶなど様々な動きをすることで、膝蓋骨脱臼が発症する可能性が高くなり、足腰への負担がかかりやすくなってしまいます。そのため、クッションフロアなど滑りにくく脚腰への負担がかかりにくいものがいいでしょう。

クッションフロアは素材が柔らかい分、犬が噛んだりすると傷が付きやすかったり、重いものを長時間置くと跡が残りやすいといったデメリットもあります。

防水消臭の床材

床のみならず、排泄物が壁に付くこともあります。そのため、壁材も防水効果があり、汚れが付着しにくいものがおすすめです。

また、どうしても犬たちが過ごすとニオイがしやすくなりますので、消臭機能付きのものを選ぶと、気持ち程度ですが効果があるかもしれません。

尚、壁材と床材の境目におしっこなどの排泄物が入り込まないように、床材を床から数センチ立ち上げて貼ってもらうと、清潔さを保ちやすくなるでしょう。

脱走防止の二重扉

登園生の脱走は何があっても避けたいものです。そのためには、人側の管理はもちろん扉を複数付けると脱走防止になりやすいです。内装を決定する際には、脱走しにくい配置や設備を用意することも大切です。

もし、自動扉が元々物件に付いている場合には、センサー式ではなく、押しボタン式にするなどの対応も検討するといいでしょう。

看板設置や外観照明

店舗の外観に看板や照明を設置する場合は内装業者にまずは相談してみましょう。業者を紹介してくれたり、内装工事と一緒に請け負ってくれる場合もあります。

看板も希望のデザインを決めておいた方が話が早く進みますので、予め考えておいたり、デザイナーさんに相談しておくといいでしょう。

ライトは、暗い時間には目立ちやすく通行人の目に付きやすくなりますので、予算や設置の可否で看板と併せて検討してみましょう。

まとめ

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物件探しというと、住居用をイメージして簡単に決まりそうと思うかもしれません。しかし、事業用となると書類の準備や個人事業主には負担の大きい保証金やしっかりとした審査があることがほとんどです。

物件探しや内装の決定は自分のお店が少しずつ形になっていくプロセスでもありますので、楽しい時間にもなると思います。契約後や内装工事完了後に後悔がないよう実際に営業をする際のことをイメージし、希望条件を明確にし、より理想に近いお店作りをしていきましょう。

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